法人破産 [事例5]

技術力に優れた会社が、連鎖倒産を余儀なくされた事例

製造業
債務整理方法借金総額
自己破産 約2億5000万円 ⇒ 0円

背景

ご依頼者は、機械部品の製造業をされていた会社様です。
創業当初から高い技術力を有していたうえに、研究開発投資や設備投資を継続的に行っていたことから、業界での評判も高く、多くの得意先を有し経営は順調でした。リーマン・ショックに端を発した世界的な不況の際にも、一時は受注が減少し売上高が前年比で約半減するといった苦境に陥ったものの、代表取締役社長Aさんの経営努力等により、売上は回復の兆しを見せていました。

しかし、そのような折、約4000万円の売掛金があった大口得意先が不況のあおりを受け会社更生の手続開始の申立てをしてしまいました。これによって同社に対する売掛金はほぼ回収困難となり、結果、買掛金や従業員への給与の支払いに窮する状況に陥ったため、Aさんは当事務所へ相談にお越しになりました。

対応

Aさんは、何よりも、従業員に対して未払いの給与や退職金があることを懸念されていました。また、債権者から、経営の失敗に対する法的責任を問われるのではないかという点も不安視されていました。

そこで私から、従業員に対する未払給与や退職金については破産手続の中で優先的に弁済を受けられる可能性があること、また、仮に破産手続中での全額の弁済が困難であったとしても、国の「未払賃金立替払制度」によってその一部は支給されることを説明しました。

また、経営者の責任に関しては、たしかに破産法には取締役などの役員に対する経営責任について破産管財人が損害賠償請求を行うことができる旨の規定はあるものの、破産したことから直ちに法的責任を問われるものではないこと、法令違反や会社の財産の私的流用などの特段の事情がない限りは責任追及されることはないことを説明致しました。

結果

Aさんは、従業員の方々が未払賃金立替制度の適用を受けることができるよう、賃金台帳などの資料を迅速に整理・準備しました。このような、従業員の方々に迷惑を掛けたくないというAさんの思いは実を結び、無事に未払賃金立替制度の適用を受けることができ、従業員の方々へ与える負担を最小限に留めることができました。

また、経営者の責任についても、会社がかかる状況に陥ったのは売掛金の焦げ付きによる資金不足が原因であり、他に特段問題視するような経営上の重大な過失等はなかったため、破産管財人から責任追及等されることはありませんでした。
破産手続は無事に手続は終了し、会社名義の借金2億2500万円は、0円になりました。

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