交通事故

増加する自転車と車の事故。過失割合はどうなる?

増加する自転車事故の実態。自動車との事故における過失割合は?

最近、通勤に際しての自転車利用が増えたり、ロードバイクがブームになったりしていることによって、自転車を頻繁に利用する人が増えています。
結果、自転車が車との交通事故に巻き込まれることも増えていて、社会問題とされています。

自転車に乗る以上、誰しも事故に巻き込まれてしまう可能性はあります。
また、自転車で事故に遭った場合、自動車同士の事故よりも大きな怪我を負ってしまい、金銭的な被害も大きくなるケースが少なくありません。

では、自転車が自動車との接触事故に巻き込まれた場合、自転車にはどのくらいの責任(過失)があるのでしょうか。

この記事では、自転車に乗る人が知っておくべき、自転車と自動車の接触事故の過失割合の考え方について解説していきます。 

1.自転車事故の過失割合の基本的な考え方

過失割合」とは、交通事故が起きたことについての当事者の責任(どちらが悪いか)の割合を比率で表したものです。
100%のうち、何パーセントがどちらの責任かなのかを、10:90や25:75などという形で表現されるのが一般的です。

交通事故の損害賠償を請求する際には、通常、この過失割合に応じて賠償金の額が減額されることになります。
このことを「過失相殺」といいます。

自転車には、自動車(四輪車)や単車、そして歩行者と比較して、次のような特徴があります。

  • 免許がいらないので、交通ルールを理解しにくい子供なども運転する
  • 走行スピードは、歩行者よりは速いが、自動車や単車よりは遅い
  • 自動車に比べて事故に遭った場合のダメージが大きくなりやすい
  • 自転車の他者に対する危険性は、自動車と比較すると小さい

以上のような特性から、自転車は、自動車と比べて「交通弱者」であると言われます。

過失相殺を判断する際には、「弱者保護」「弱者救済」という考え方や、「危険性の高い乗り物を運転している人の方が注意しなければならない程度がより高い」といった考え方があります。
そのため、自転車の過失割合は自動車よりも少なくみられる傾向にあるのです。

なお、場合によっては、自転車もかなりのスピードで走ることがあります。ロードバイクはその典型でしょう。
そのような時には、事故を起こした場合の危険性が高くなりますので、自転車でも単車(バイクなど)と同じとみなして過失割合を判断すべきであると考えられています。

通常の自転車のスピードは15キロ程度ですので、30キロ程度になると、ここでいう「かなりのスピード」にあたると考えられます。

【過失割合を判断する際の基準】
過失割合は、基本的に過去の裁判例において、実際の事故と類似した事案ではどのような判決が出されたのかということが参考にして判断されます。
法律実務では、交通事故の態様ごとに、基本となる過失割合や基本の割合を修正すべき要素が掲載された、『民事交通訴訟における過失相殺等の認定基準』(判例タイムズ社出版)という書籍を参考にするのが一般的です。

2.具体的な事例における過失割合

それでは、具体的な事例において、どのような過失割合が一般的に示されているのかを見ていきます。

(1) 自転車の巻き込み事故

交差点で自動車が左折する際に、後方から直進してきた自転車を巻き込んでしまうという事故態様です。

この場合、基本の過失割合は「自転車:自動車=10%:90%」とされています。
修正要素の例としては、次のようなものがあります。

  • 自動車が大回り左折をした場合:自転車から-10%
  • 左折の合図を怠った場合:自転車から-10%
  • 自転車を運転していたのが児童や高齢者の場合:自転車から-5%
  • 自転車横断帯を通行していた場合:自転車から-5%
  • 自転車に著しい過失がある場合:自転車に+5%
  • 自転車に重過失がある場合:自転車に+10%
  • 自動車に著しい過失または重過失がある場合:自転車から-5~10%

なお、以上は自転車が自動車の後方からやってきた場合ですが、自転車が先行していた場合は、基本の過失割合は「自転車:自動車=0%:100%」とされています。

(2) 路外から出た際の事故

①自転車が路外から出ようとして自動車に接触した場合

自転車が駐車場などの路外から道路に出てきた際に道路を直進する自動車と接触した事故です。

この場合の基本の過失割合は、「自転車:自動車=40%:60%」です。

②自動車が路外から出ようとして自転車に接触した場合

路外から道路に進入した自動車が、道路を直進していた自転車をはねた事故です。

この場合の基本の過失割合は、「自転車:自動車=10%:90%」とされます。
自転車が右側通行していた場合は、「自転車:自動車=15%:85%」に修正されます。

自転車には、左側を通行しなければならないというルールがあります。これに違反した場合は、自転車の過失が大きくなるのです。

(3) 信号機の設置された交差点での事故

自動車側の信号機が赤色、自転車側の信号機が青色の場合(自動車が信号無視した場合)の基本の過失割合は、当然ながら「自転車:自動車=0%:100%」です。

一方、自転車側の信号機が赤色で自動車側の信号機が青色の場合(自転車が信号無視した場合)は、自転車の過失が100%とはなっていません。
基本の過割合は、「自転車:自動車=20%:80%」とされています。

信号無視をした自転車が悪いと考えるのが当然と思われる事案ですが、交通弱者である自転車に有利に考えられているのです。

3.自転車事故の過失割合に不満ならば弁護士に相談を

以上のように、自転車と自動車の交通事故では一般的に自転車に有利に過失割合が考えられていますが、修正要素の有無によっても結論は大きく変わってきます。

また、そもそも、信号機の色など、事故状況自体についても、相手方との主張が対立するケースが少なくありません。

そのような場合に、自分に有利な過失割合で合意をする(または、訴訟で認めてもらう)ためには、専門的な知識や経験が必要になります。

保険会社から提示された過失割合に納得がいかないような場合には、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

泉総合法律事務所は、自転車が絡む交通事故につきましても、多くの案件を解決してきた実績がございます。過失割合に納得がいかない交通事故被害者の方は、どうぞ安心して泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
初回のご相談は無料となっております。

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